おバカな新参Pの文字置き場

シャニマスP兼ミリシタ新参P(時々デレステP)の私が思ったり感じたことを気ままに投げる場所

それじゃ君にとって僕は何? 答えは分からない

没タイトル:市川雛菜さんについて考えたけどわからない

 

ネタバレあり

個人的解釈あり

 

 

 

 

『HAPPINESS♡』

いわゆる出会いコミュ。雛菜さんの場合、283プロにオーディションを受けにくるという内容になっています。

喋り方や語尾に付く♡からも全く物怖じしていない様子がわかり、第一印象どおりの天真爛漫な子なのかなと思いました。

アイドルになりたい理由をたずねると、"浅倉透がやっているから"というのが軸となっていますね。雛菜さんが浅倉透さんに対して憧れる理由については後述します。

このオーディションの中で色々と面白いやりとりがあるのですが、その中でもとくに気になっているのが「雛菜は楽しい担当」という言葉。WING編を終えて現在、私は雛菜さんは自分の感情と自分とを切り離して考える能力が恐らくとても高いんだなと感じていて、それを端的に表しているのがこの言葉なのかなと思っています。

人間の持つ感情についてよく言われることの一つに、"喜怒哀楽といったものは流れ行く雲と同じものであって、どこからともなく現れ心の中を流れては消えていく、それは自分ではコントロールできない現象なので自分の中を支配する感情と自分を同一化しないことが大事だ"というものがあります。

雛菜さんは心の中に渡来する感情をとても素直に表現する一方で、その感情と自分とを切り離すことができていると思うんですよね。少し先回りしてしまうのですが、シーズン3コミュ『(unknown)』では「今日のプロデューサーきらい~~~」というセリフがあります。

普通の人は「この人嫌い!」となったらすぐには切り替えられないと思うんですね。しかし雛菜さんの場合は"自分"がプロデューサーを嫌いなわけではなく、あくまでその時の"感情"で嫌っているだけであるという判断ができるので、「明日は雛菜のすきなプロデューサーでいてね~……」というセリフに繋がるわけです。

雛菜さんが言う"楽しく幸せ"のモットーはすなわち、それ以外の感情は雛菜さん自身のものではないと切り離すことができるからこそ成り立っているんでしょう。悲しんだり怒ったりもするけれど、それは雛菜さんのものではなく通りすがるただの感情である、といった形で。

これをぱっと外から見た時は身勝手で感情に支配されている子のように見えましたが、雛菜さんとしてはその時の感情をその時の感情としてただ純粋に処理してるだけなのかなぁと思いました。

 

 

『One,Two,Three』

シーズン1コミュ。街中で雛菜と出くわし、そのまま同伴してレッスンの様子を見に行くという内容になっています。

このコミュでは、雛菜さんの特徴的な行動が頻繁に見ることができます。

まず街中の場面。「プロデューサーのこと考えながら歩いてた」という雛菜に対し、プロデューサーは「雛菜のことをどうプロデュースしていこうかって考えてた」と答えました。すると、一方的に考えていたわけじゃなく嬉しいと雛菜さんは言うわけですね。

このあとレッスンに集中しろというプロデューサーに対しては「それじゃあプロデューサーは雛菜に集中しててね~?」と言ってみたり。一方で、雛菜に期待してるというプロデューサーに対しては「雛菜もプロデューサーに期待している」といった具合で、とにかく雛菜さんはこのコミュでは「その場でプロデューサーに同じ行動を求める」あるいは「その場で同じ行動を返す」ということを行います。

私はこれらの言動はなんだか少し不自然さがあるなぁと思いました。プロデューサーに期待されて嬉しい、ではなく、雛菜もプロデューサーに期待するね、に帰結するところなんかは特にそうです。

それで考えた結果、雛菜さんなりにこの15年間で身に着けた処世術の一つがこれだったのではないかなと私は思いました。言葉や行動だけを見ると雛菜さんは奔放で周りのことを気にしていないようにも見えますが、実際のところ雛菜さんはそうではないので、雛菜さんなりに社会に適合しようとした場合にこういったオウム返し行動を取りがちなのかなと。言わば彼女なりの社会性フィルターというか。

そしてこの超絶シンプルかつ場当たり的なギブ&テイク主義ですが、プラス面のやりとりだけではなくマイナス面でも同じことをしていると思います。例えばRサポートアイドル福丸小糸の1つ目のコミュ『遅刻しちゃうよ』での「雛菜も一限のこと諦めがちだから気持ちわかるかも~」という発言とか。

ここが雛菜さんの人物像を考える上で、最も重要な核となる部分なのかなぁと個人的には思っています。

 

『Bitter×coffee』

シーズン2コミュ。事務所で仕事中のプロデューサーのもとを、ユニットでのレッスンを終えた雛菜が訪れてくるという内容になっています。

今日やることは全部やってきたので他のメンバーを置いて先に戻ってきた、という雛菜さんに対しプロデューサーは何か言おうとします。しかし、その空気を察してか雛菜さんはするりとかわしていきました。その様子を見て、このままではいけないなとプロデューサーは考えます。

この場面、初見で私が最初に考えたのはプロデューサーは何を言いたかったんだろう? という点です。ただの熱血社畜根性論ではないよなぁとは思いましたが、次に会った時何を言うんだろうなーと。その答え合わせはシーズン3・シーズン4コミュの内容になります。

 

 

『(unknown)』

シーズン3コミュ。事務所に戻ってきたプロデューサーを、レッスン前の雛菜が迎えるという内容になっています。

プロデューサーは雛菜に「これからレッスンを頑張るので、なにか一言欲しい」と言われます。そこでプロデューサーは雛菜さんについての心配事"雛菜さんがつらいことや大変なことをスキップしている"ということを口にします。

それに対して雛菜さんは「つらいことや大変なことを経験する必要があるの? しなければ頑張ったということにならないの?」という質問を投げかけます。プロデューサーはそうではないと否定しつつも、これから大変なことに向き合わねばならなくなったその時の話をしようとします。ただその話は遮られ、

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とこういった流れになるわけですが。

雛菜さんがここでこういう質問をした理由は正直よくわかりません。ただ、極めてパーソナルな部分から出た言葉なんだろうなぁという気がしますし、そうであれば初めてプロデューサーが雛菜さんの内面に少し踏み込むことができた瞬間なのかなと思います。

一方で引っ込めた理由はなんとなく察しがつきます。この質問、プロデューサーがYESと答えてもNOと答えても雛菜さん視点で詰んでるんですよね。

詰んでるというのは、例えばプロデューサーがYESと答えた場合、雛菜さん的ギブアンドテイク主義で考えた場合は雛菜さんもしあわせでなければならないのですが、今はそんな状況ではないですよね。そしてNOと答えた場合は、やはり雛菜さんが望む回答ではない。だから一手差し戻しを行った。

この後の選択肢、『……雛菜』を選ぶときらい~~~と言われた直後に気遣われてギブアンドテイクが成り立たずになんで今そんなこと言うの~? と困惑し、『……レッスン頑張れよ』を選ぶと、「いつも頑張ってる雛菜のことをプロデューサーがわからなくても仕方がない、自分もプロデューサーのことはわからないから」という雛菜さんのギブ&テイク主義の考え方を改めて示されることになります。

 

 

『take the cake!』

シーズン4コミュ。プロデューサーが帰り道に雛菜さんと偶然会うという内容になっています。

プロデューサーはシーズン3コミュでの話を持ち出し、再び雛菜と向き合おうとします。一方で雛菜さんも、ずっとそのことを考えていたと前置きして自分の考え方を口にします。

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「透先輩にも円香先輩にもなれない、小糸ちゃんみたいに頑張れない」という言葉雛菜さんが自分自身の考え方そのものについては客観視ができていることが伺えます。そしてその上で"自分は自分、他人は他人、だからわからなくてもいい"というのが、雛菜さんの出した答えであることが改めて語られます。

 

さて。結局のところ、ここまででプロデューサーが問題視していることとは何なのか。

結論から言ってしまうと、雛菜さんにとっての"しあわせ"とは局所最適解であって全体の最適解ではないのではないか? というところだと思います。

探索アルゴリズムの中の山登り法というものがあります。これは自分が今いる地点から周囲を見回して、よりポイントが高い方高い方へと移動していくという最も単純な手法となります。

この方法のメリットは難しい計算が不要であること。そしてデメリットとして局所的な最適解に陥った際、全体によりよい解があったとしても抜け出すことができないということです。

下図でいう赤丸のところが局所最適解ですね。青丸のところはこの図のなかでは最も高い山ですが、もっと視野を広げればもっと高い山があるかもしれません。f:id:shirajoumiurena:20200413223912p:plain

つまるところ、雛菜さんが自分がしあわせだと思うことだけでいいと割り切ってしまっているがために、その場その場で手の届く範囲のみで解を出し、そこで満足しているのではないか? というのがプロデューサーが懸念していることなのかなと私は思いました。

ただ、実際に社会生活を送る上で山登り法を運用できてるとしたら、雛菜さんはめちゃくちゃ賢いですよね。普通の場合"どちらが上で、どちらが下か"というのがわかりませんから。この才能が雛菜さんの"なんでもそれなりにできる"の源なのかもしれません。

 

というわけで、プロデューサーは誰かのように振る舞えとか、足並みを揃えろとかミスター・連体主義みたいなことは言わず、その考え方じゃ知ることができない"たのしい・しあわせ"がアイドルにはある、ということだけを伝えます。雛菜さんは誤解していたことを認めて、プロデューサーが自分のことを理解していることに感心しているようでした。

 

さて、ここで"雛菜さんはプロデューサーのことをわかっていなかったけど、プロデューサーは雛菜さんのことをわかっていた"ために、雛菜式ギブアンドテイク方式が崩れます。この方式が崩された時が、最も雛菜さんのパーソナリティが表れやすい時だと思います。そこで雛菜さんは
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という質問をしてきます。

アイドル"には"なれるか。これは先程の透や円香さんや小糸さんのようにはなれない、ということへの対比だと思います。

そしてアイドルになるということはつまり、今とは違う形の"しあわせ"の選び方をするということで、雛菜さんが局所最適解から動く意志を見せたということです。

それを聞いてプロデューサーは「……うん、なれるよ。いや、もう雛菜はアイドルだろ?」とかいうかっこいいセリフで応えます。最強の二人の誕生です。

そうすると雛菜さんは、頑張ったらいちばん褒めて撫でてくれるか、だめだった時ぎゅ~っとしてくれるか、ソファを特等席にしてもいいか、と矢継ぎ早に要求を口にします。

これって、どれもこれも今からアイドルを頑張ることに対する雛菜式ギブアンドテイクだと思いませんか? 僕は思いますけど。すなわち雛菜さんがほんとうの意味でアイドルをやっていく決意をしたということですよね。夢みたいに綺麗で泣けちゃうね。

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この言葉に雛菜さんは大いに喜び、プロデューサーとケーキを賭けて駅まで競争することをもちかけて駆け出していきそれをプロデューサーが追いかけていき、このコミュは終わります。

さて、ここで突然コミュタイトルの話をします。『take the cake!』 は一等賞を取る、みたいな意味の慣用句らしいですね。

このコミュの選択肢で『ゆっくり行こう!』を選ぶと「ゆっくりだと負けちゃうじゃん」「雛菜絶対負けないからね」というセリフが聴けます。負けちゃうって何に? となりますが、大事なことは誰かに負けると一番ではなくなる、ということです。

ここでいう一番というのは局所最適解のことではなく、全体最適解の一番でしょう。では、なぜ雛菜は一番を目指すことを決めたのか? ですが、プロデューサーが一番最初のファンだからという発言がトリガーだと思います。

プロデューサーが雛菜の一番のファンであるなら、雛菜がプロデューサーにとって一番のアイドルになる。これが雛菜式ギブアンドテイク。

 

 

蛇足

『GO!LUCKY!』

WING敗退コミュ。おいおいここでコミュ切るとよからぬ輩が色々やるぞ。という感想。関係ないけどよからぬやからって語感良くないですか?

 

『Make you happy』

WING優勝コミュ。ここまで色々書いたのはWING優勝コミュについて何も書けないから。このコミュでどっぷり浸かってしまう人多そうだなって印象。

 

・雛菜さんの人格形成について

結局なんで雛菜さんはああいう人格になったのか? ということについてですが。

知らん。

誰かのようになろうとしたりした時期があって、そして挫折したことがあるのかもしれません。知らんけど。

私は雛菜さんじゃないから雛菜さんのことはわからない。

 

・浅倉透への憧れについて

透って多分自然体で、なんでもやってみなきゃわかんない、やってみよう、のタイプじゃないですか。

雛菜さんはめちゃくちゃ賢いし計算もできるけど、なんでもやってみよう、とは今までなれなかった(orなろうとして失敗した)わけで。

その生き方ができてる透先輩すき~~~♡って感じかもしれませんね。

あと多分雛菜さんは円香や小糸に対しても一定のリスペクトを持っていると思います。知らんけど。

 

・ノクチルとの関係について

雛菜さんのコミュ読んでて思ったんですけど、この四人ってほんとうの意味で繋がりが深いってわけじゃないんじゃないかなと思ってます。

個人同士では色々あるのかもしれないけど、四人組としては付き合いが長い幼馴染で、ただそれだけっていうか。

お互いが一番心地良い距離感を維持しているだけで、ベターではあるけどベストではない感じというか。

少なくとも雛菜さんからはノクチルの三人に対して、まだ一線を引いているような印象があります。

その辺が今後のイベントコミュでなんとかなったりするのかなーって思いました。知らんけど。

 

結論

雛菜さんのことはよくわかりません。

 

おわり